ライフスタイルが多様化した今、結婚や子どもをもうけることへの意識も人それぞれです。しかし、生き方や産み時は悩んでも、子どもは望めばできるものと一般的に思われています。多くの人は、避妊の知識はあっても、妊娠や出産について、子どもを望んでもできない不妊のことは正しく理解されていません。

 

不妊は昔からありますが、不妊はセックスに直結することだけに悩みは表面化しにくく、その苦しみは当事者だけにとどまり世間にはあまり知られていません。無知ゆえの社会通念から受ける当事者たちの傷つきも理解されにくい問題です。そして、近年は医療技術が進歩したことにより、不妊は治療すれば子どもを授かれる、高齢になっても望めば出産することができるなどと誤解している方も少なくありませんし、治療の選択肢が広がったことによる新たな悩みも出てきています。不妊治療は決して万能ではありませんし、生殖補助医療がどんなに進歩しても不妊で悩む方が無くなることはないでしょう。

 

自分自身や異性の身体のことを理解しておくことはとても大切なことですし、一般常識として知識を得ていれば、不用意な発言に気をつけたり、相手を思いやることも出来ます。これから結婚を考える若い世代の人、もしかしたら不妊かも?と治療を考えている人だけが知っておけば良いのではなく、自分には直接関係なくても、自分の身近な人が不妊に悩んでいるかもしれない可能性は十分にありえます。社会全体の共通認識として、一人一人が生殖に関する正しい知識と、生殖補助医療により波及する様々な現象を心に留めていただきたいと願っています。